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自動運転バスの概要と導入事例&路面標示 サンコーニュース 2024年 vol.168

初稿日:2024.02.29

更新日:2024.09.19

自動運転バスとは、運転手がいなくても自動で走るバスのことです。

公共交通の運転手不足や、高齢化に伴う交通インフラ整備等の観点から全国各地で実験や導入が進められています。

今回は そんな自動運転バスの現状や課題と、それに関連する路面標示のご紹介を致します。

 

① 自動運転の概要と現状

国土交通省「自動運転車の安全技術ガイドライン」を参考に作成

自動運転とは

運転者の代わりに機械(システム)が周囲の状況を「判断」し、車を「操作」することです。

 

車に装着されたセンサーが周囲の状況を読み取り、素早く正確な判断のもとに運転(または運転支援)することが出来ます。

 

運転者の脇見・思い込み等のヒューマンエラーを無くし、交通事故を減らして安全で快適な交通環境になることが期待されています。

 

 

自動運転レベル

自動運転の度合いを表す数値で、レベル0~レベル5の6段階で定義されます。

 

現在はレベル2「部分運転自動化」が可能な自動車が市販されており、テレビCM等で運転者が手を離した状態で走る様子が紹介されています。

 

ただし、現段階では運転の主体はあくまで運転者(人間)であり、システムはそれをアシストする「運転支援機能」に過ぎません。

 

誰もが思い描く『車が勝手に目的地に連れて行ってくれる』レベルであるレベル5「完全運転自動化」までは、技術的にも法律的にも いまだ遠い道のりと言えそうです。

 

 

② 自動運転バス導入の目的

国土交通省「自動運転車の安全技術ガイドライン」を参考に作成

都市政策におけるバスの重要性

国土交通省が進める都市政策では、都市が抱える課題の解決に向けて『コンパクトシティ』を目指しています。

 

そのために生活サービス機能と居住を集約・誘導し、人口を集積すること、中心拠点や生活拠点を利便性の高い公共交通で繋ぐネットワークを構築することを掲げています。

 

その中においてバスは、ネットワーク機能を担う交通機関と位置付けられており、需要が集中する都心拠点へのアクセスとなる軸の強化や都心の回遊性を向上させるために、高い需要密度や多様な利用者に対応する高い輸送力や高度なサービスの実現が求められています。

 

 

 

バス交通の課題と自動運転への期待

人口減少や自動車での移動増加による利用者の減少によってバス交通の事業性が低下しているほか、運転士の高齢化及び、なり手の不足が課題となっています。

 

一方で高齢者の運転免許返納は増加しており、返納後の移動手段確保や利用環境のバリアフリー化が求められています。

 

また、バス運行の安全性確保も大きな課題で自動化による改善が期待されています。

 

 

③ 自動運転バスって どんなもの?

国土交通省「自動運転車の安全技術ガイドライン」を参考に作成

車両の種類

自動運転バスには いくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。
地域の環境や交通事情、導入目的に合わせて以下の3タイプが主に導入されています。

 

 

 

自己位置推定技術

自動運転車両に必要な技術のうち、自車のいる位置、自車の周りの環境を認知する技術は様々な方法があり、実証実験を通じて検証が行われています。

 

現在は主にGNSS(GPS)が用いられており、感度が不足する場合に他の技術等で補完する場合が多い状況となっています。

 

 

④ 自動運転バス普及への課題

国土交通省「自動運転車の安全技術ガイドライン」を参考に作成

走行環境

現在の技術では、可能であれば専用空間にて走行することが望まれます。

 

手動運転の車両と混在する空間の場合、交通量が少なく、駐停車車両がなく、歩車分離がされているような道路であれば自動走行が行いやすい状況です。

 

一方、手動運転の一般車と混在する場所での運用には、安全・円滑な走行のため注意すべき点や望ましい環境など課題があります。

 

 

 

地域理解

自動運転車両の運行の実証実験に対して、地域住民からは好意的な反応が多いそうです。

 

周辺への事前周知を十分に行っていたことや、運行開始後に周辺車両の理解が深まったことなどから、走行区間上の路上駐車等が減少するといった効果も生じています。

 

自動運転バス利用者も一般の運転者も安全で快適な交通環境を実現するためには、運用地域の皆さんの理解と協力が不可欠となります。

 

 

⑤ 自動運転バスの導入事例

※車両の写真は、国土交通省の資料から転載しているため、実際の運行車両と異なります。

 

【茨城県 境町】自治体初、定常運行自動運転バス

境町のホームページを参考に作成

茨城県境町では2020年11月から自動運転バスを導入し、生活路線バスとして定時・定路線での運行を行っています。

 

自治体が自動運転バスを公道で定常運行したのは全国初で、その取り組みは高く評価されており、導入を検討する自治体からたくさんの人が視察に訪れています。

 

 

乗車定員・運賃

乗車定員は10名(+オペレーター1名乗車)で、誰でも無料(予約なし)で利用できます。
車いすでも乗車出来るよう、スロープが装備されています。

 

運行ルート

「道の駅さかい」から「猿島コミュニティセンター」をつなぐ『第1期ルート(町内循環)』と「道の駅さかい」から「高速バスターミナル」をつなぐ『第2期ルート(高速バス連結)』の2路線で、全17カ所の停留所があり、1日18便運行しています。

 

【路面標示施工】

走行ルート上にクイックシートでバスマークを設置

 

自動運転バスの運行ルートであることを示すため、ルート上にクイックシートで自動運転バスのマークを設置しました。

 

バス停にはレモン・黒のデザインを、それ以外の箇所にはライトブルー・白のデザインを設置しています。自動運転バスのルートを周知することで 急ぐときは別の道を選択するなど、ドライバーへの理解と協力を促します。

 

 

 

【島根県 飯南町】地域に愛される「い~にゃん号」

飯南町のホームページを参考に作成

島根県飯南町の自動運転バスは電磁誘導線に沿って走るタイプの車両です。

 

国土交通省の『中山間地域における生活の足の確保等のため、道の駅 等を拠点とした自動運転サービスの実証実験』の結果を踏まえて2021年10月から運行を開始しました。

 

「い~にゃん号」の愛称で地域住民に親しまれています。

 

 

乗車定員・運賃

乗車定員は6名(乗客は4名)で、1回200円で利用できます。

障がい者手帳を持つ人と高校生は半額、中学生以下は無料で利用できるほか、

乗継券による往復割引や乗り継ぎ割引等便利な割引制度もあります。

 

運行ルート

「道の駅赤来高原」を出発して「赤名連担地」・「赤名駅」を経由し「道の駅赤来高原」に戻る

周回ルートを1日7便運行しています。

 

【路面標示施工】

実証実験にグランシャルシートを設置

 

自動運転バスの有効性や安全性等を検証する国土交通省が行った実証実験にて、自動運転バスの走行ルートを示すため、グランシャルシートを用いた仮設の路面サインが設置されました。

 

貼って剝がせるグランシャルシートなら撤去時に路面にダメージを与えないため、大規模な実証実験でも安心してご使用いただけます。

 

 

 

information

 

クイックシート 溶融タイプ 施工直前の注意点

 

◆設置路面に凍結防止剤等が残留している場合、必ず除去を行ってください。
◆設置路面温度が低い場合、設置路面を加熱することで、
シートの接着強度が高くなります。

 

 

 

クイックシート 溶融タイプ 受取り後のお願い

 

クイックシート溶融タイプの受取り後、すぐに梱包ダンボールを開封して、シートの状態の確認をお願いします。

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